うつす

ジェームズ・ベニングの映画を見た。

写すことは不思議だと思った。文字も、映像も、写真も、その他全ての記録はすごい。口伝ではなく、ものとしての記録はすごい。特に五感で感じるような映像や匂い、音はすごい。私が普通に生活していたら見ることも知ることもなかったものをいとも簡単に見せてしまう。口伝や文字で伝えられるものは私の脳で解釈された想像の世界で、実際のものと寸分違わないと言うことは滅多にないと思うが、映像や画像、音は伝えたい物そのままだ。特に音声付きの映像ともなると私が生まれる前の映像、確実に見なければ知ることのなかった、見ることのできない景色を見ることができる。非常に不思議な感覚だった。なぜ私は見ることができるのか。写真が時を切り取る、と言うのもよくわかる。時間が切り取られる感覚が大変よくわかった。カメラというものが怖くなった。もちろん目の前で見ることと映像で見ることに大きな違いがあることは確かだが、どう頑張っても見ることのできない過去の状態を見ることができているというある意味での矛盾?のような状態が気持ち悪くて、それしか考えられない。

これじゃ何が言いたいのかわからないな 言葉にするのは難しい。とにかく、今のこの感情は今しかないのでとりあえずでもいいかな